年金のこと「地平線を追いかけて満員電車を降りてみた」で学ぶ 

紀里谷和明

老後2000万円問題。私の考え方を少し変えてくれた本

本のデータ

著者 紀里谷和明 出版社 文響社
発行日 2020年8月6日

副題は、『自分と向き合う物語』

どんな本なの?

著者は、紀里谷和明さんは、映画監督で写真家です。

宇多田ヒカルさんのミュージック・ビデオは印象的でした。

そんな著者が4年半もの時間をかけて、挑んだ小説。

心にぐいぐい来る、良い作品だと思います。

さて、物語は、何か人生で迷いを感じたときに現れるという劇場の支配人とのやりとりです。

①成功したい人
②自分を好きになれない人
③やりたいことが見つからない人
④仕事がうまくいっていない人
⑤人生を諦めかけている人

そんな5人それぞれと交わされる会話で構成されています。

いずみくん
いずみくん

当てはまるものはありますか?

この本に登場する「支配人」はわたしです。しかし、同時に「相談者」でもあるのです。登場する相談者の悩みは、形は違えど、私が悩み苦しんできたものと同じです。
その一つひとつに、真剣に向き合って出してきた答えが支配人によって語られます。

(あとがき)
こがねの
こがねの

悩みの解決方法として読んでも面白い

実は、この本の根底には、こんな問いがあります。


そもそもわたしたちは、自分でないものになる必要があるのだろうか?

今まで、「今よりもっとすごい自分」になろうと頑張ってきたのに・・どういうこと?

今日は、第1話 『成功したいあなたへ」から、お金について考えてみたいと思います。

2000万円も必要か否か?真剣に考えたことありますか?

いくらあれば幸せになれると思うのですか?

ぼったくりの店でボコボコにされた翔太。
劇場の前で倒れていたらしく、支配人に助けられます。

とにかくお金持ちになりたい翔太。
だって、高級な住まいや車があれば、かっこいいし、モテるし・・

そこで支配人「いくらあれば幸せになるなれると思うのですか?」と尋ねます。

いずみくん
いずみくん

あればあるほど・・・?

ないよりあった方がいい・・?

支配人「じゃあ、命はどうですか?」

いずみくん
いずみくん

必要!まだ色々経験したい!

こがねの
こがねの

不可欠なものには、はっきり答えられるんだ。

じゃあ、命ほどお金は必要なものではないの?

だって、日本には、お金が全くなくても生きていける社会的システムがある
・・とは、かの「ひろゆき」さんの弁。

こがねの
こがねの

なるほど、

生きてはいけるね。

命さえあれば・・

じゃあ、なんでこんなに必死にお金を求めているのでしょう?

だって世間から蔑まれたくないじゃないですか・・

さて、この翔太さん、さらにどうしてこんなにお金が欲しいのか突き詰めていくと

世間から羨ましがれたい

そして、その根底には『人から下に見られたくない』という恐怖がありました。
(具体的なエピソードは本で)

人に笑われるから、身なりをきちんとしよう、高い時計をしようと頑張ってました。

いずみくん
いずみくん

よく言われますものね

実際は、清潔な衣服と安心な行動

してれば大丈夫ですが・・

そのせいで、翔太さん

必死で働く→大金を稼ぐ→高級品を買い漁る→・・

のループにハマり、ストレスに。

ただただ、恐怖に突き動かされて消費行動してました

でも、ある時、気づいてしまいました。

こがねの
こがねの

満員電車で誰も

翔太さんの服や時計に

注目している人がいなかったの

いずみくん
いずみくん

世間の目ってそんなものかも

自分に危害が及ばなかったり、

自分が不愉快に思わない時は

関心ないんですね。

一生懸命、他人が羨むようなライフスタイル送ってたのにね。
見られてなかった・・
人に注目して欲しかったのに

つまり、異常な消費行動は、
自分を否定し、注目されるような人になろうと、
次々に憧れの人々の持ち物を手に入れようと躍起になっていただけのこと。

だけど、所詮、人真似。
しっくりこないから、もっともっととエスカレートして、疲れちゃった。

その上、誰も見てないなんて、もうショック!

そう、最初から、自分にしっくり来るものだけ買っていれば、そんなにお金は必要なかったのです。

老後2000万円問題とは?

よくよく考えてみれば、2000万円も、所詮、誰かが試算したものでした。

冷静に考えてみたら、私にピッタリなものではありません。

いずみくん
いずみくん

お金をかけたいもの

お金をかけなければいけないもの

は、それぞれ違いますものね

こがねの
こがねの

2000万円という金額を何も考えず

貯めることに夢中になったり

貯められないことに自己嫌悪したり

してたかも・・・

それこそ、危うく誰かのライフスタイルを生きようとしてました。

こがねの
こがねの

参考程度はいいけどね!

支配人は(著者)はこう翔太さんに伝えます。

『それ持っていることが嬉しくてたまらない?』と自問自答してみよう。

すると、自分が本当に欲しいものなんて、そうたくさんない

そこに気づくと、もうお金はあるし、働き方も変わる・・・

つまり、何歳になろうと、実は、本当に必要なものは少ない。
大金がそんなになくても、案外、いける?

そう考えると、

・もしかしたら、年金だけで生きていけるかもしれない
・もしかしたら、体に無理してまで働かなくても生きていけるかもしれない

なんだか、少し、明るくなってきませんか?

老後資金、私も危うく、もっともっと・・ってなるところでした。読んで良かった!

この本で学んだこと

・他人の価値観を真似たところで、素敵な私にはならない。自分の好きの感覚もっと大切にしよう

・老後資金の試算。自分に必要のないもの、好みじゃないものが含まれているかも。要見直し!

⭐️こちらのサイトより、お気に入りの店で購入できます

【文響社 公式】地平線を追いかけて満員電車を降りてみた / 紀里谷和明
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