生き方に迷った時、登場人物たちの人生を垣間見て考えよう
どんな本なの?
不当な理由で職場を解雇され、その腹いせに罪を犯し逮捕されてしまった玲斗。
同情を買おうと取調官に訴えるが、その甲斐もなく送検、起訴を待つ身となってしまった。そこへ突然弁護士が現れる。依頼人の命令を聞くなら釈放してくれるというのだ。依頼人に心当たりはないが、このままでは間違いなく刑務所だ。そこで賭けに出た玲斗は従うことに。
依頼人の待つ場所へ向かうと、年配の女性が待っていた。千舟と名乗るその女性は驚くことに伯母でもあるというのだ。あまり褒められた生き方をせず、将来の展望もないと言う玲斗に彼女が命令をする。「あなたにしてもらいたいこと――それはクスノキの番人です」と。
(実業之日本社 公式サイトより)
先に言ってしまうと
怖い事件も悪人もいません
『人を生かす話が書きたく』なった著者が挑んだ超大作。
そこは、著者。
すぐには、いろんな真相は明らかにされません。謎が深まるばかりです。
読み進めていくと、
疑問が少しずつ解けていく仕組みです
たくさんの家族が登場しますが、誰もが手放しで「幸せ!」と、言えない事情を抱えています。
歳を重ねたからこそ、
見えてくる景色がそこにあります!
大人で良かったと思える作品です
ファンの方はもちろん、今まで読んだことなかったわ〜というみなさんにもおすすめしたい1冊です。
最後は、きっと何か得られるはず!
ぜひ、手に取ってみてくださいね
「私の人生、上出来だ」と、最期に言える人生は、どうしたら作れるの?
「これからの生き方で、その予言が的外れだったことを証明するように」
(同上)
不当な理由での解雇への腹いせで、元職場へ盗みに入った主人公の玲斗。
伯母という人の計らいで、示談が成立しました。
元職場の社長が捨て台詞のように、玲斗はまた「刑務所に入るだろう」と言ったことを弁護士から聞きます。
言葉を返せずにいる玲斗に、弁護士が言った言葉です。
でも、どんな風に生きたらいいんでしょう?
困りますよね。
自分は、犯罪を犯してしまったんだからと、半ば人生、あきらめかかっている玲斗は、尚更困ってしまいます。
しかし、こんな言葉が作品の中にあります。
堂々と祈念したら、これまでの自分の人生に偽りや後ろめたいことは何もないって内外に示したことになる
(同上)
もし、自分の人生を後に残る者に語る機会があった時、
自分の最期の日を迎えた時、
ウソや、後ろめたいことは何もないと言い切れる人生を送れたと思えたら、もう上出来の人生だと言えるのではと。
100%クリーンではなくてもOKですよね
誰でも後悔することはあるけど、
人に話せないほど酷いことで
なければ、いい人生ってことよ!
そして、人間、何度でもやり直せるチャンスがあることは、この玲斗さんが教えてくれます。
自分の人生、後に残る人に語り継げる人生になるよう努力しようと強く思えた作品です。
さて、この作品の登場人物たちは、どんな人生を送ってきたのでしょう。
完璧な人ばかりじゃないから、
共感しっぱなしです。
後悔や偽りもあるわよね、人間だもの
読後、また頑張ろうって
思える優しさ、味わってみてください
まとめ
自分の生きた証 何もご立派なものでなくていい
ただ後に残る者たちに知られて恥ずかしくない生き方をすること
多少の嘘偽り後ろめたいことは、誰にでもあるけど、笑える程度なら良しとしよう と、学んだ1冊
⭐️文庫本もあります!
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