全て忘れてしまうなら、今、次世代に残しておきたいあれこれ
どんな本なの?
著者は1973年生まれ。都内の美術制作会社に勤務する会社員でありながら、作家
コラムニストとして活躍中です。
武田友紀さんが著書の中でおすすめしていたエッセイです。
さすがカウンセラーが紹介するだけあり、心が和む作品です。
後輩から『落ち込むプロっすね!』と言われるほどの人間くさい著者。
ネガティブな部分も包み隠さず、思わずクスッと笑ってしまう表現に昇華させるうまさ!
はじめて読む作家ですが、ファンになってしまいました。
今日は、面白かった作品をご紹介します。
世の中、私がいなければ回らない・・ってことはない
よく芸能人のお悔やみで、「二度とあのような才能を持った人は出てこないだろう」と涙するシーンが流れるが、二度と同じような人が出てこなくても、世の中が困っている様子を見たことはない。これは絶望でもあり希望でもあるのだけど、この世界が誰が抜けても大丈夫だ。だから潰れるまで個人が我慢する必要なんてない。心が壊れてしまう前に、人は逃げていい。
(何も持たずにすべてを置いて僕たちは死ぬ)
自分が抜けたら・・と思うと、なかなか抜けられない気持ちわかります。
歳を重ねてくると、抜ける経験も増えてきます
でも、次の日、何もかも、はちゃめちゃになっているかというと、そんなことはありません。
時はフツーに流れているのよね。
最初は多少混乱してもすぐ戻る
自分がいなければ・・ってことはないわねぇ。
この嫌な日常が永遠に続くと思ってしまう日もあるけど、
人間は『いつか死ぬ』んだから終わりはあると著者は言います。
人になんと言われようと、
代わりはいるから大丈夫!
無理しないで逃げて!
たまに、嫌な人がいなくなるという奇跡も起こるんですけどね。
本当は、一番怖いのは、自分が抜けた後の方が、スムーズにことが進んでいることかも(笑)
それが知りたくなくて・・ついね。
それでもいいから、心が壊れる前に逃げて! と伝えたいです。
祖母の役割・・母にはできないおおらかさが次世代を救う
(いじめられて)玄関先で祖母の顔を見た途端、今度は僕が声を上げて泣いてしまった。すると祖母は台所に向かい、戻ってきたかと思うと、また僕の口にホームランバーを突っ込んだ。それからしゃがんで僕の目を見ながら、「いいかい、大きくなって好きな女ができたら今日のことを話してみな。約束してやる。モテるぞ〜」とニヤリと笑いながら言った。(中略)
祖母のその時の言葉は、どんな励ましよりも未来に希望が持てた。
(ぼくは今でもアイスは噛んで食べる)
この後、著者は、机に花が置かれる悪戯を経験します。(ひどいね!)
だけど、祖母の教えを守って(笑)、その話をラジオに送り、DJに賞賛されます。
嫌なこと、辛いことは
ネタにしてしまいなさいってことね。
今や著者はそれをお金にしてしまっているのだから、祖母の教え、最強!
親だと、いじめには神経質になりがち。
こんな大らかなおばあちゃんのような人になりたいです。私・・
リアル孫じゃなくても、次世代をこんな風に導けたらいいですよね。
ところで、大人になった著者。
飲み屋で話して、モテたそうですよ(笑)
祖母の教え、最高です。
私が残さないで、誰が残す!みんなが教えてくれたこと
この連載に書いたこともある知人が、この二年間の間に二人亡くなった。彼らとの話を読み返したら、ほぼ忘れてしまった出来事だらけで、文章の途中で立ち止まってしまった。書いておいてよかった。(中略)だって、良いことも悪いことも、そのうち僕たちは全て忘れてしまうのだから。
(すべてを忘れてしまうから)
SNSやっていると、どうしても承認欲求の方が強くなってしまいます。
実は、書くことって
自分とその周りにいたひとの存在を
残すことかもしれませんね
この文章を読んで気づかされました。
子供や孫へ会ったことのない親戚の話を残すだけでも財産。
書くことの意味、教えてもらいました。
もちろん、悪口はNGです。
後世に善良な人のイメージ、残しましょう!
この本から学んだこと
・この世界は自分が抜けてもフツーに回っていく。つらかったら、場所替えしていい
・おじいちゃん、おばあちゃんは次世代に明るく、たくましく生きる勇気、残そう。
・書くことは、自分やその周りの人を残すこと。せっかくなら、いい話を書こう
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