「5分後に意外な結末 ベストセレクション」桃戸ハル

小説・エッセイ・評論

忙しい大人こそ読んで!思いがけない結末に驚きと感動でストレス解消

5分後に意外な結末 ベスト・セレクション (講談社文庫) [ 桃戸 ハル ]

価格:671円
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感想(5件)

どんな本なの?

編著者の桃戸ハルさんは、毎日執筆と編集に勤しむ2度寝が好きな方。
「5分後シリーズ」を数々出版されています。

この「5分後シリーズ」
元々は、小中学生の「朝の読書」用として、
10分以内で読み切れることをコンセプト
企画された児童文学です。

オリジナル作品や欧米の小話、文豪の作品などが、最後は必ず「カタルシス(心の浄化作用)」がある作りになっており、
隙間時間でも十分満足が得られる作品です。

大人が読むからこそ、もっと深いところまで気づける。
忙しい方に是非オススメしたいシリーズです。

今日は、22作品の中で、私が面白いなぁと思った3作品をご紹介したいと思います。

大人が読んでも面白い5分で読める3作

1.気をつけて、悪口。こっそり補聴器つけてるかもしれないよ!

耳が聞こえないと思っている嫁は、わしの悪口を言っているに決まっている。この耳が突然聞こえるようになったとしたら、どうだろう。腹黒い嫁のしっぽをつかまえてやる。老人は補聴器を買うことにしたのだ。

(補聴器)

妻を突然に亡くした男。
耳まで聞こえづらくなり、頑固になりました。

同居する息子家族は、何やら楽しそう。
きっとわしの悪口を言っているに決まっている・・

家族から自ら孤立していきます。

こがねの
こがねの

耳が聞こえないって

心まで壊してしまうのね

最近は、店員さんもマスクをしているので、聞き取りにくい時があります。
声が小さい人だと
「えっ?えっ?」って、聞き返してしまいます。

そんな自分に自己嫌悪。
耳が聞こえなくなったのかなぁと落ち込みます。
(声が小さいだけなんだけどね)

さて、この「老人」さん。
補聴器を買いに行きます。

家族が一体どんな悪口を言っているのか、
こっそり聞いてやろうと。

こがねの
こがねの

補聴器つけるのに

盗聴器をしかけたスパイ

気分って、ちょっとステキな発想・・

こっそり補聴器のお試し用をレンタルをして家に帰りますが・・
どうなったでしょう?

もしかして、身の回りにもそんな人がいるかもしれません。
悪口にはくれぐれもご注意を。

2.隣人は、間違いなく10年前の犯罪者だと気づいた青年の恐怖

「あなたは罪を犯したかもしれないけど、それをまだ許してない人もいるかもしれないけど、でも、ちゃんと償ってきたんですよね。だから、僕が言うのもおかしいですけど、勇気出して頑張ってください。まわりがどんなことを言ってきても・・」

(隣に住む殺人鬼)

主人公の青年は、
10年前、テレビのニュースか何かで見た
男二人の警官に挟まれる様にして歩いている犯人が、隣のアパートに住んでいることを知ります。

当時、彼は3、4歳。
テレビ越しの睨みつけるような目をずっと忘れられずにいました。

こがねの
こがねの

それは怖いわよね。

隣に住んでいたら・・

小さい時の恐怖って、いつまで経っても忘れられないもの

関わり合いを持たないように、避け続けた青年ですが、殺人鬼であるはずの隣人は、優しい一面があることを知ります。

ある日、バスで一緒になり、傘を持っていない彼に、隣人は一緒に入って行こうと、傘を差し出します。


その時の言葉です。

さて、この言葉に喜んだ隣人は再出発を誓いますが・・・

こがねの
こがねの

この結末にびっくり!

子どもとテレビを見るときって

気をつけなきゃって思ったわ。

ドラマ化されて、津田寛治さんが隣人さんしていたのですね。ピッタリ!

3.この言葉、本当に伝えたい。いろんな人たちに・・

世の中には土地のことでケンカするより、もっと面白いことがたくさんある。どうだね。これからはケンカをやめて、仲良くしようじゃないか。

(侵入者たち)

男の祖父が小地主から無理矢理取り上げた山。
孫の代になっても、男と小地主、両家の争いは続いていました。

そんな中、両家のいがみ合う2人、山の中で、
どちらも倒木の下敷きになってしまいます。

そして気づきます。
もうこんな戦いをやめようと。

こがねの
こがねの

奪い奪われる関係って辛いよね。

しかし、孫の代・・となると、

なぜ戦っているのかよくわからなくなっているのも

事実よね。

さて、この2人はどうなったか?

今、あちらこちらで領土の問題で争いがおきています。
この物語と同じ状況かもしれません。

確かに、
領土の争いより、協力し合ったら、もっと面白いことたくさんできるのにな。

この本から学んだこと <まとめ>

・補聴器はスパイ道具の一種?つけるの躊躇するけど、一つの選択肢。悪口は言わないに越したことはない

・子どもは、フィクションとノンフィクションの世界が曖昧。トラウマになることも・・

・世の中には、土地のことで争うよりもっと面白いものがある。平和であれ!

ではまたね!

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