磯野波平(54)が理想の生き方だったなんて
中高年のおじさんの悲哀を笑いと涙で描いた短編集
本を選ぶとき、どうしても女性で自分の年齢の近い人の作品を選びがちです。
読んでいて、共感したいのですね。
きっと・・・
しかし、今回は、男性中高年が主人公のお話ばかりの1冊を選んでみました。
中高年の悲哀もなかなか・・・
お互い肩を叩き合って、褒め合いたいぐらい。
さすが短編の名手 荻原浩さんの作品です。
その中から「磯野波平を探して」を今日は取り上げたいと思います。
波平さんのような生き方、してみたら・・・
磯野波平さんって54歳なんだってよ
磯野波平が五十四歳であることを、どれほどの人々が知っているだろうか。
かく言う俺もいままで知らなかった。知ったのはいまもいま、家の居間でだ。
(磯野波平を探して)
誰もが知っている「サザエさん」。
私もフネさんが50ン歳と聞いて、びっくり!
もはや波平さんもフネさんも年下です(笑)
何より、福山雅治さんと1歳しか違わないという事実もびっくり!
画面の向こう側
時の流れ遅すぎ・・・(笑)
これぞ、究極のアンチエイジング!
さて、あと2ヶ月で54歳を迎える主人公。
この驚愕の事実を知るまでは、アンチエイジングに励む、いまどきの中高年です。
今は、どの年代でも
波平さんスタイルの人には
お目にかからないものね
波平ならどうするだろう?
朝、出がけに一通りの育毛の儀式をしている時に、はたと気づきます。
『波平は朝もらくだろうな、と。』
説明は・・・いりませんよね(笑)
そこから、主人公は、
自分の行動に『波平ならどうする?』を当てはめ出します。
・ジョギング
波平はジョギングしない。ナイキのスウェットは着ない。体操着を着るはずだ。
・今どきの若者の言葉を無理して使う
赤の他人にも丁寧語「この梅は遅咲きなのかね?」
・タンクトップ、短パン(体型的に厳しい)
冬は寒いから股引きだ。
実際は妻が買ったヒートテック上下。こんな暖かい世界があったんだ。
・エスカレーターを使わない
波平は、そんな、せこいカロリー消費はしない。堂々とエスカレーターに乗ろう。
ほんの一例だけど、
どうやら心身ともに楽みたいよ
そして、数々の行動の上、この考えに行き着きます。
磯野波平の『加齢を恐れないあの潔さ』こそ目指す場所!
磯野波平になろう。俺は、五十四歳らしい五十四歳になるのだ。
(同上)
他人の視点を入れてみると、人生、楽になることもあるんですね。
結構、中高年、無理してます。
アンチエイジングorアンチアンチエイジング?
健康であることは大切だ。長生きをしたいのも確か。だが、それと、年齢に逆らって若く見られようとすることは、別問題じゃないのか。
実年齢より上に見られようが下に見られようが、年々、残り寿命が目減りしていくことには変わりないのだ。
(同上)
どんなに「わか〜い!」「(年相応に)見えな〜い!」と、言われても、
体は確実に衰えています。
日々、実感するわねぇ
そこを無視してしまうと、体は悲鳴をあげ、かえって体を壊してしまうんじゃないかってこと。
健康のためのちょっとした節制はするけど、
身体に負担が少ない運動や服を選ぶように、
行動も年相応で、心身ともに負担の少ない方を選べばいいのじゃないかと
著者は言いたいのではないでしょうか。
無理は禁物ですね。
波平の生き方、少し観察し、取り入れられるところは取り入れたいと思います。
しかし、まだこのアンチアンチエイジングの話、終わりではないのです。
ぜひ、この続きは、本で。
この本から学んだこと
・波平視点は、究極のアンチアンチエイジング。体に負担の少ない中高年の理想的な生き方。
・どんなに頑張っても若者から見れば、おばさんは、おばさん。張り合わない。
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