年老いた親といるから見えてくることがある
どんな本なの?
年老いた父親との交流について書かれたエッセイです。
ある日、父親から住む場所のお金の援助を頼まれます。
お金を出すことを了承した著者。
そして、私には算段があった。「いいけど、君のことを書くよ」
(同上)
金を出すと言われた手前、父も断れないはずだ。「いいよ」今度は父が気前よく言った。
文章を書く人って強いねぇ。
思わず感心してしまいました。
そのお金は、また本を書いて回収すればいいと・・・
だけど、実際は、早くに亡くした母親の人生をよく知らなかった著者。
父からは、父親自身のこと、ひいては母親のことをきちんと聞いておこうと、
父親や親戚の人たちと交流しはじめます。
両親のことを知ることは、自分のことを知ること。
早ければ早いほど、親の記憶も確かなもの。
その時は、ぜひ、参考に、この本を開いてみてくださいね。
・父親との交流に、なんとなく二の足を踏んでいる方 ・家族や自分のこと知りたいけど、どう切り出していいかわからない方 ・とても頼もしい著者がどんな人生を歩んできたか知りたい方
77歳の父と42歳のひとり娘の交流。
少しだけ見てみましょう。
この本で「おー」って思った3つの言葉
- 親孝行するなら、縁の地へ行き、思い出話を聞こうよ
- 急いでいるなら、なおさら、周りの人に注意を払おう
- 人間関係は「言わぬが花」で平和なのかも
1.親孝行するなら、縁の地へ行き、思い出話を聞こうよ
私には考えがあった。子どものころにできなかった「親子らしいこと」をやるのだ。大人になったいま敢えてそれをやれば、思わず涙がホロリと流れ落ちるようなエピソードが生まれるに決まってる。つぶさに書き留めたら、そこそこ字数も埋まる。
(同上)
いつもは、母親の墓参りばかりではつまらないと、上野動物園へ出かけます。
子どもの頃、父親とは一度も行ったことの無かった場所。
辿り着くまでの間、お父さん
ここには誰が住んでいた
あそこは変わった、変わらないと
街の景色を見てイキイキと語り出します。
親孝行って、どこか遠くに連れて行くことではなく、
本人にとって縁の地へ行くことなんだなぁと教わりました。
どうしても、子供としては、頑張っちゃうんだけどね。
縁の地へ行って、話を聞く・・それだけで十分。
親孝行って思っているより、ハードル低いですね。
2.急いでいるなら、なおさら、周りの人に注意を払おう
世間が自分にジャストフィットするように作られているのが当然と勘違いし、テンポの異なる人々を態度で排斥する。忙しさにかまけ、不遜な態度には、さも理があるように振る舞う。思い当たる節がありまくりだ。
(同上)
ゆっくり歩く、お父さんが電車に乗ろうとした時に
女性が割り込んできて、乗り込んで行った時の著者の思い。
しかし、その著者も普段は、動きが緩慢な人に厳しいかも・・
と反省している姿は、好感持てます。
私も歩道の爆走自転車苦手です・・
著者の言いたいこと、よくわかります。
急ぎたい気持ちはわかるけど、
それでケガさせてしまったら、
お互い取り返しのつかないことになります。
やはり、順番はきちんと守りましょう。
ドアのところに居るなら、乗るまで
待ってくれるのが、日本の鉄道!
3.人間関係は「言わぬが花」で平和なのかも
物事はいつだって、それを誰がどこから見るかで善にも悪にもなる。往々にして、外野の見立ては、当事者には無意味なのだ。二人にしかわからないことが唯一、二人を支える価値を持つ。その二人だって、全く同じことを考えているとは限らない。伝聞の伝聞のような話を美しくトリミングして事実のように語るのは、父も私もいただけないのだ。
(同上)
ワイドショーを見て、父と娘の価値観があった瞬間。
あまり感心が持てない出来事を美談に変えた報道を見ての感想。
芸能ネタってそんなものかもしれませんね。
それをさも真実だと信じている視聴者は?
これは、一つのフィクションだと受け取っておこうと思います。
それより、当事者同士だって
『どちらも全く同じことを考えているとは限らない』ということ。
どんなに仲のいい、夫婦でも親子でも親友でも・・
互いに発表しあったら、全然違ってた?
口に出さないから、うまく行っていることもある
そんなことを教わった1文です。
この本を読んで学んだこと <まとめ>
・親を連れて思い出の地へ。親孝行は、重く考えなくても大丈夫
・世界は自分のためにナイ!周りに注意を払うことも忘れない
・どんなに親しい関係でも口には出してはいけないことがある
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