「東京すみっこごはん レシピノートは永遠に」成田名璃子

成田名璃子

たくさんの人に触れ合えば、それだけたくさんの生き様に出会える

更新日 2022年9月18日
公開日 2022年8月31日

本のデータ 

著者 成田名璃子 出版社 光文社
発行日 2020年11月10日

どんな物語なの?

商店街の路地を入ったところにある一軒家
共同台所「すみっこごはん」
『素人がつくるので、まずい時もあります』
そんな風変わりな場所に夜な夜な
訳ありの人たちが集まります。

すみっこごはんの5巻の最終章です。

・心がほっこりする物語を欲している方
・人情話が好きな方
・美味しいご飯が好きな方

いきなり5巻から読んでも、ストーリーに入り込めます。
でも、読み終わったら、前の巻も読みたくなるかも・・

この本を読んで「おー」って思った3つの言葉

  1. 親の仕事と子どもの恩返し
  2. 時期が来れば、必ず道は開ける
  3. 「遊んで生きてきた」なんて真剣に人生に向き合った人でなければ言えない言葉

1.親の仕事と子どもの恩返し

親のいちばんの仕事ってのは、子を守ることでも何でもなく、ただ子離れすることだってな。

(同上)

楓の恩返しは、じいちゃんを、楓のじいちゃんにしてくれた時に終わってるんだ。

(同上)

どちらもおじいちゃんの言葉です。
上は、親として娘に。下は、祖父として孫娘に。

子どもはいくつになっても子どもです。
だって、子育てって大変ですものね。

でも、生まれてきてくれた時点で恩返しが終わっていること
思いもよりませんでした。
そうですよね。気持ちよく子離れしたいものです。

一方、子ども達と子供という立場の私達。
もう十分恩返ししているそうですよ。


何にも親孝行していない・・と思わなくても大丈夫!
元気に暮らしている姿が何よりの親孝行だと思います。

2.時期が来れば、必ず道は開ける

思ってもみない流れだけど、時期が来ると、あがかなくても自然に道が開けることってあるみたいだよ

(同上)


進路に迷う主人公へ送った女性の言葉です。

私もこれ、同感します。

「多分、これ正しい」と思う方向へ行く時は、何もしなくても

そんなに苦労せずに実現したり
嬉しい情報が来たり
応援してくれる人が集まってきたり

反対にそれは、私がやることではないという時は、何をしても

上手くいかないし、
よんどころない状況になったり、
誰も助けてくれなかったり

脳科学的に、スピリチュアル的に
きっと、色々あるんだろうけど
まあそこは、専門家に任せて。

あー天職っていうか、お役目ってあるんだ
と、つくづく感じます。

迷ったら、日々のことを丁寧にこなして、
流れが来るのを待ちましょう。

3.「遊んで生きてきた」なんて真剣に人生に向き合った人でなければ言えない言葉

「なに、家具をつくるのがじいちゃんにとっての遊びなんだ。考えてみれば、じいちゃんはずっと遊んで生きてきたんだな」

(同上)

家具職人のおじいさんの言葉。
かっこいいです。

仕事ってどうしても文句の1つや2つは出てくるもの。
いやいや、不満しか出てこない日もあります。

仕事に対してランクをつける風潮もありますが、何をしていようと、
子どもが夢中になって遊ぶように仕事に取り組んでいるなら
それで良いと教えてくれる言葉です。

それに遊んでいたなんて、本当に真剣に仕事してないと言えないですよねぇ。
後ろめたくて(笑)・・かっこいい!

そう言いきれる人生になると良いなぁ〜

この本で学んだこと <まとめ>

・親離れしたかったら、こまめに親に元気な様子を伝えよう。心配になると連絡したくなるのが親心

・流れに身を任せてみると思いがけないところに流れ着くことも・・またそれも、いとをかし

・「ずっと遊んで生きてきました」自信に満ちた素敵な表情で言える大人になろう

東京すみっこごはん レシピノートは永遠に 成田名璃子 | 光文社文庫 | 光文社
それぞれの旅立ちが胸を打つ。感動の最終巻。

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