「親の家を片付けながら」リディア・フレム

小説・エッセイ・評論

戦争体験世代の親の家の片付けの大変さは、万国共通だと知る

【中古】 親の家を片づけながら ヴィレッジブックス/リディア・フレム(著者),友重山桃(訳者) 【中古】afb

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どんな本なの?

著者は1950年代生まれ。

フロイト研究で知られる精神分析学者。ベルギー・ブリュッセル在住のフランス人です。

結局子供は“親の家を「空にする」”ことを任されているのだ。

(家を空にするということ)

母と娘(著者)の関係は、あまり良好なものではありませんでした。

その上、著者は一人っ子。

相続が発生した時点で、家の片付けがはじまります。

2年前に他界した父の荷物も手付かずのまま

まずは、自分があげたものを持ち帰るところから、はじまります。

しかし、ずっと心の中では、葛藤しっぱなし。

こがねの
こがねの

親の家の片付けは

どこの国でも大変なのね。

心の中の辛さは相当だわ

精神分析学者らしく自分の心の動きが時系列を追って、書かれています。

親の家の片付け方法の本はたくさんありますが、

片付ける人の心の動きを書いた本は、また違った角度から片付けについて考えさせてくれます。

その中から2つほどエピソードを紹介します。

親の家の片付けは、自分が子孫のためにできることを教えてくれる

1. 大量な紙類から、親の人生、歴史を知る

手紙やはがきといった両親が生きていた証を見つけるたびに、私はクリアファイルにはさみ込んでいった。日付順に整理していくと、両親の人生がだんだんと形を形成していく。

(白く無垢な秘め事)

膨大な領収書や手紙など、紙類。

捨てていいものかどうか判断するために、一度持ち帰ります。

『いったい私は、親の人生の古文書保管員になってしまうのか

しかし、片付けていくうちに、両親が生きている時に、著者に決して語ることのなかった

ユダヤ人としての重い過去の資料がいくつも見つかります。

こがねの
こがねの

親の人生も

貴重な歴史の1ページ

自分の前の世代がどのような時代を生きてきたのか

興味がある人なら、膨大な紙の山は、まさしく貴重な資料。

きっと、歴史的大発見するお宅もあることでしょう。

このような発想はありませんでした。
辛くなったら、歴史ハンターになったつもりで片付けようかしら(笑)

それにしても、紙の整理は大変ですね。

こがねの
こがねの

古い契約書などは、破棄しておかなきゃ。

片付ける人に時間をとらせてしまうわね。

そして、著者が言うには、単なるメモ書きも、捨てる人には厄介みたいです。
見られたくないものと合わせて、早々に対処しておきたいものです。

2.親の家の片付けは、子孫に先送りしないで、決着つけよう

改めてタンスを開くと今度は、ハンガーにかけられたドレスの下にある物を取り出してみた。そこにはぞんざいに物がつめ込まれた大きなビニール袋がいくつかあった。(中略)さらに奥には、布でできた花や靴下、手袋、マフラーが山のように入った透明な箱があった。その下に、祖母の持ち物だった大きなバックを見つけた。

(母から受け継いだ遺産)

母親も祖母とは、仲が悪かったそうです。

祖母が亡くなった時も、アパートの片付けを著者に命じた母。

その時に持ち帰ったものが手付かずのまま、母は無意識に自分の視界に入らないよう、タンスの奥深くに、しまい込んだのでしょうか?

こがねの
こがねの

母と娘の関係性を

物語っているわね

私(著者)に整理させるために

でも、やはり自分の親の片付けを子供へと先送りしてはダメですよね。

親の後始末は、余程の理由がない限り、子どもの世代が、かたをつけること。

こがねの
こがねの

著者は親の家を片付けることは

親から受けた束縛から解放され

子ども時代の自分から卒業する

絶好の機会なのだ

と、言ってるわ。

折角与えられた機会。片付けながら、子どもの時感じた理不尽も整理をつけたいですね

この本で学んだこと <まとめ>

・残された紙類は、親の生きてきた時代を物語る歴史的史料かもしれない。そして、自分の紙類は早々片付けよう。

・親の家の片付けは、子どもの頃の記憶を一度整理する貴重な時間

では、またね!

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