大人になりきれない人とそうじゃない人の差ってなんだろう
著者 町田そのこ 出版社 中央公論新社
発行日 2020年4月21日
どんな本なの?
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。
(中央公論社 公式サイトより)
![いずみくん](https://koganenobook.com/wp-content/uploads/2023/02/man-150x150.png)
読むのに没頭してしまいました。
心が揺さぶられる本
いかがですか?
主人公の貴瑚さんをはじめ、みな、何かしら幼い頃、大人から心を傷つけられました。
その傷を抱えながら生きていくことの壮絶さは、想像以上です。
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傷つける大人たちの幼稚さ
には、呆然とさせられます
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でも、子供は、
大人は正しいと思っているから、
自分を責めてしまう・・
ほんと、実は、大人になりきれてない大人って、たくさんいるんだなと思います。
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私だって、人のこと言えないけどね(笑)
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そんな大人になりきれていない大人に
言われたことで、「傷つかなくていい」
もちろん、素敵な大人たちも登場しますよ。
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愛情を持って接してくれる人。
誰もが救われます
同じだけ歳を重ねても、これだけの差が出るのはどうしてでしょう?
考えてみたいと思います。
惜しみない愛情を注げる人こそ、大人に成長した証
信頼できる大人とそうじゃない大人との差はどこからくるのか
ひとというのは最初こそ貰う側やけんど、いずれは与える側にならないかん。
(7 最果てでの出会い)
いつまでも、貰ってばかりじゃいかんのよ。
親になれば、尚のこと。
このお話の登場人物は、虐待・溺愛・育児放棄など、大変な思いをしながら大人になりました。
だから、どこか大人を信用していない。
これは、友人のおばあさんの言葉です。
つまり、子供のうちは、愛情をもらう側なのですが、大人になったら、愛情を与える側にならなければいけない。
ましてや、子どもに、愛情をくれと欲しがってはいけないということです。
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子供への虐待って
自分の欲求を通して欲しくて
子どもに甘えているってことね
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子供じゃ無理です
それなのに親のために
頑張ってしまう・・
素敵な大人がいる一方で、首を傾げたくなるような大人がいること。
この差は、人に愛情を与えられるかどうかで生まれるようですね。
ところで52ヘルツのクジラって何?
普通のクジラと声の高さが ー 周波数って言うんだけどね、その周波数が全く違うんだって。
(2 夜空に溶ける声)
クジラもいろいろな種類がいるけど、どれもだいたい10から39ヘルツって高さで歌うんだって。
でもこのクジラの歌声は52ヘルツ。あまりに高音だから、他のクジラたちには、この声は聞こえないんだ。
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声をあげているのに
誰の耳にも届かないなんて・・
孤独
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周波数が違うから、
近くにいても
気づかない存在なのね
世界で一番孤独だと言われているクジラこそ、『52ヘルツのクジラ』
声をあげているのに、誰もが気づけない存在・・
![いずみくん](https://koganenobook.com/wp-content/uploads/2023/02/man-150x150.png)
人間に当てはめると悲しいです
大きな声をあげられる人は、誰もが気づいてくれ、何かしら助けてもらえます。
一方、声をあげているのに、気づいてすら、もらえない人がいる・・・
世の中に、52ヘルツのクジラがたくさんいることに気付かされます。
中高年の私たちにできること
ときには人に甘えたくなる時もありますが・・・
やはり、中高年は、年齢的にも社会的にも『与える側の人間』です。
わたしはまた、運命の出会いをした。一度目は声を聴いてもらい、二度目は声を聴くのだ。このふたつの出会いを、出会いから受けた喜びを、今度こそ忘れてはならない。
(7 最果てでの出会い)
1度目は、自分が虐待されている家庭から抜け出す手伝いをしてくれたアンさんという存在。
主人公の貴瑚さんは、誰にも届かない救いを求める声をアンさんに聴いてもらいました。
2度目は、貴瑚さん自身が、家族から虐待を受けている少年を救い出します。
今度は、声の出せない少年の声を聴くのは、自分の番だと決心した貴瑚さん。
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まさしく貰う側から与える側に
なった貴瑚さん
頼もしいです!
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与える側になった時、
人って成長できるのですね
そう、中高年の役目は、52ヘルツ・・声なき声で叫びをあげている人の声を少しでも聴くこと。
そのためには、まず、自分は与える側の人間になれているか?
確認するところからはじめたいものです。
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こんな大人ばかりになったら、
世の中、素敵よね!
まとめ
あなたは、与える側の人間に成長してますか?
若者から投げかけられているような作品
ど〜んと来い!と、胸張って言える大人になろうと思う
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