私の親は毒親だと思ったら、自分の日常、振り返ってみて
著者 町田そのこ 出版社 小学館
発行日2022年5月27日
どんな本なの?
宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。
(小学館 公式サイトより)
厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。
二人の母がいるのは「さいこーにしあわせ」だった。
宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、花野と暮らし始める。待っていたのは、ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親との生活だった。
代わりに手を差し伸べてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯だ。花野の中学時代の後輩の佐伯は、毎日のごはんを用意してくれて、話し相手にもなってくれた。
ある日、花野への不満を溜め、堪えられなくなって家を飛び出した宙に、佐伯はとっておきのパンケーキを作ってくれ、レシピまで教えてくれた。その日から、宙は教わったレシピをノートに書きとめつづけた。
全国の書店員さん大絶賛! どこまでも温かく、やさしいやさしい希望の物語。
![いずみくん](https://koganenobook.com/wp-content/uploads/2023/02/man-150x150.png)
テーマは家族
毒親ってどこにでも、
いつの時代にもいるんですね
主人公の宙(そら)が、幼稚園から大人になるまでの物語です。
実の親の花野(かの)さんは、実に自由奔放に生きているように見えます。
ご飯は絶対作らない。
![こがねの](https://koganenobook.com/wp-content/uploads/2023/02/woman-glasses-150x150.png)
これは理由があるのよね
ぜひ、最後まで読んでみてくださいね
そこで、花野さんの後輩の佐伯さんが、宙のご飯を作って食べさせることに。
![いずみくん](https://koganenobook.com/wp-content/uploads/2023/02/man-150x150.png)
愛情を込め、温かい
料理を食べさせてくれます
どれも、うまそう!
さらに佐伯さん、宙が、一人でも食べることができるよう料理も教えてくれました。
この佐伯さんと、成長した宙の作るご飯は、やがて多くの人の心を救うことに。
![こがねの](https://koganenobook.com/wp-content/uploads/2023/02/woman-glasses-150x150.png)
温かい料理って大事!
さて、このお話、多くの親子関係を描きます。
それもどこか、いびつな・・
毒親って、実はどこにでもいるモノなのかな。
(第五話 ふわふわパンケーキは、永遠に心をめぐる)
なかなか重厚な物語ですが、中高年でも夢中になって読んでしまう本です。
ぜひ、一度、手に取ってみてください。
ところで、自分が愛情を持って親から育てられたかどうか知りたいと思いませんか?
わかる方法、小説の中にあります。
![いずみくん](https://koganenobook.com/wp-content/uploads/2023/02/man-150x150.png)
皆さんは、どちらでしょう?
親が愛情を持って育ててくれたかどうかわかる言葉とは?
例えば、何かしてもらったら『ありがとう』、悪いことをしたら『ごめんなさい』。
(第一話 ふわふわパンケーキのイチゴジャム添え)
嬉しいときは笑って、かなしいときは泣く。
こういうの、生まれたときから知っているような気がするだろう?
だけどそれは、小さなころからたくさんのひとが愛情をもって繰り返し教えてくれたから、身についたんだ。
当たり前に体に染みついたのは、繰り返し教えてくれる存在があったからなんだ。
![いずみくん](https://koganenobook.com/wp-content/uploads/2023/02/man-150x150.png)
「ありがとう」
「ごめんなさい」
咄嗟に言えますか?
すごいですね。この1文。
親のこと、文句を言ってごめんなさいという気持ちになりました。
この一文を読んで、親から愛されていたんだと実感できた方も多いかと思います。
![こがねの](https://koganenobook.com/wp-content/uploads/2023/02/woman-glasses-150x150.png)
あなたのお子さんは
どうですか?
言えるなら、子育て成功ですね!
しかし、こんな言葉が言えないという花野さん。
苦労の連続の子供時代でした。
![こがねの](https://koganenobook.com/wp-content/uploads/2023/02/woman-glasses-150x150.png)
親の役割の大きさを感じます
そんな花野に育てられた宙。
料理や本の世界に潜り込むことで、その寂しさを埋めていきます。
友人に家族の本ばかり読んでいることを指摘されます。
「多分、本の中に自分の探してる答えがあるかもしれないと思っている、から」
(第五話 ふわふわパンケーキは、永遠に心をめぐる)
・ひとを思うとはどんなものか?
・家族を思い、関係を築くことはどういうことなのか?
そんな問いをリアルな家族の中ではなく、本の中で見つけようとしていたことに、宙自身驚きます。
![こがねの](https://koganenobook.com/wp-content/uploads/2023/02/woman-glasses-150x150.png)
本の役割って大きいですね
もしも、壁にぶつかった時、人に助けを求めるように、本に助けを求めるのも一つの手だなと思います。
さて、30年近くの歳月を描いたこの作品。
どんなに毒親に育てられようとも、その後の出会いで変わることもあるという希望が持てる作品になっています。
どのように、登場人物たちが、親たちについて考え、前を向いて歩けるようになったのか?
ぜひ、読んでみてください。
まとめ
今、自分が社会生活をとりあえず円滑に過ごせているのなら、親の愛情を十分に受けた証拠。
できずにいるのなら、本の中に答えを探しにいくのも一つの方法。
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