藤岡陽子『波風』を読んで、専業主婦(夫)について考えた

藤岡陽子

どうして、時々、専業主婦(夫)は心苦しく感じるのだろう?

こがねの
こがねの

こんにちは
今日の本はこちらです

今日の本

藤岡陽子 著  波風
『テンジソウ』より

いずみくん
いずみくん

人の気持ちを優先して
『波風』たてずに生きてきた人たちの

新たな出発までの短編物語です

家事は、マイナスを元通りゼロに戻す仕事 ゼロに戻って、はじめてプラス(収入)になる

<今日の言葉>

「産み出さなくてもいいじゃないですか。毎日の生活を維持していく、それで十分ですよ。(中略)
マイナスのものをまた元通りゼロに戻すってことも、ゼロをプラスにするのと同じくらいの価値があるものなんだってぼく思ってます。人はプラス1、プラス2・・と増えていく仕事に目がいきがちだけれど、マイナスをゼロに戻す労力も同じくらいすごいことですよ」

(デンジソウ)

私自身、専業主婦をしていると、心苦しい瞬間があります

夫は、外で働いているのにね、私は家の中にいて、お金を稼いでないなぁ

だから、せめて家事、ちゃんとしようって・・・グスン

だけど、そうではありませんでした

この言葉を読んだ時には、ホント目から鱗

嬉しくなりました

上記の言葉は、専業主婦だった主人公に、シングルファーザーの男性が言ったものです

たとえば、洗濯

汚れたシャツを洗って、干して、畳んで、また着られるようにする・・

汚れたシャツ(マイナス)を、また着られる状態(ゼロ)に戻すことも、大切な労働だと言います

プラスにすることだけにばかり目がいってました

しかし、誰かがマイナスをゼロに戻さなければ、プラスはやってきません

汚いシャツでは

一緒に働く人も嫌ですよね

どちらも必要不可欠なこと

どう分担するかは、それぞれの置かれた状況で違ってくると思います

でも、互いにリスペクトすることは忘れない

間違っても『食べさせてやってる』発言は、御法度です(笑)

専業主婦の私

この言葉で

心のつかえが取れました

また頑張ろうっと!

感想(読書メーター投稿)

それぞれの新たな人生に向かう前の物語

最後は、扉をパン!と、開ける瞬間の音がするような読後が素晴らしい短編の数々

波風たてずに自分を抑えて生きている人のなんと多いことよ

そういう私もそう(笑)

意見や希望はちゃんと伝えられる人になろうと思えた作品

もちろん、相手の人格は否定しないように・・ね!

本について

本のデータ

著 者 藤岡陽子
出版社 光文社
発行日 2023年7月14日

今までまっとうに生きてきたけれど、ここらでひとつくらいルール違反をしてもいいんじゃないかな」

母はなぜあんな冴えない男と再婚したのだろうか-「鬼灯」
結婚式を控えた青年がいちばん感謝を表したかった女性-「月夜のディナー」
高校野球の天才投手が右手を失った―「テンの手」
86歳の男性は、なぜ、女性ばかりの着付け教室に通ってくるのか―「結い言」
現実世界はとっくに引退していたつもりのアイドルヲタが受ける衝撃-「真昼の月」
思考を止めなければ生きていけなくなった女性が、選んだ町で―「デンジソウ」

(光文社 公式サイトより)

看護師でもある著者

医療現場の裏側にも迫ります

読んで衝撃!

OVER50の心に刺さる
『結い言』や『鬼灯』

愛情の深さに感激します

波風 藤岡陽子 | フィクション、文芸 | 光文社
悩める人たちの活路を開く、注目・期待度No.1作家の七話。

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