阿川佐和子『母の味、だいたい伝授』を読んで、最期の晩餐について考えた

阿川佐和子

最期に何食べたい?と聞かれたら、なんて答えますか?

こがねの
こがねの

こんにちは
今日の本はこちらです

今日の本

阿川佐和子 著 『母の味、だいたい伝授』
<ウチ外食>より

いずみくん
いずみくん

最期に食べたいものは
なんですか?

味も大事だけど、作ってくれた人も大事かも

<今日のことば>

「あれ?いらないの?」
ティッシュで受け取りながら問うと、父は蚊の鳴くような声で返答した。
「まずい」
それが、父が娘に発した生前最後の言葉となった。その翌日、父は九十四歳の天寿を全うし、息を引き取った。

(ウチ外食)

阿川佐和子さんの父、阿川弘之さんは

『食べることが人生の最大の関心事であった』と言われるほどの方

その父の最後入院していた病院では、なんでも食べさせて良いということで、著者、しばしば手料理を運んだそうです

その日持って行ったのは、父のお気に入りのローストビーフと、家にあったとうもろこしを天ぷらにしたもの

著者、天ぷらは苦手だったらしく、奮闘虚しく、「まずい」と言われてしまいました

それが最期の言葉になるとは思わなかったでしょうけど・・

ご本人、明るく書かれています

それが、今日のことばです

コロナ禍で、挑戦して
天ぷら、できるように
なったそうです

最期食べたいものは何?

と、よく耳にします

なんでしょうねぇ
想像もつきません

たぶん、コッテリしたものじゃないんだろうな〜

うなぎ食べて・・

豚骨ラーメン食べて・・

なんて言っている人を見ると、生命力を感じます

この質問の答え、今、どのくらい若いのかを如実に語りますね

気づきもしませんでした(笑)

最期の食事がまずかったというのは、美食家にとっては、なんとも残念なことだったかもしれません

でも、娘が作った食事で・・というのは、

なんとも幸せなことだったのではなかったんじゃないかなぁとも想像します

そうか、何を食べたいかも大事ですが、誰が作ったかも大切な要素ですよね

でも、いつ、それが最期の晩餐になるかわからないという事実

心を込めて料理しなくては・・

と、思ったけど・・・なかなか難しい私です(笑)

感想(読書メーター)

幼い頃から母の手伝いをしていた著者。それでも追いつけない料理があると言う。著者自身、母が認知症を発症すると、作り方を聞いても、はぐらかされたとか。教われる時間って案外短いと気づく。あとは、自らの舌を頼るとするか

本について

本のデータ

著 者 阿川佐和子
出版社 新潮社
発行日 2023年2月25日

結婚もした、両親も看取った、私に残ったのはいよいよ〈あの欲望〉だけだ――。懐かしい母の味を再現しようと奮戦し、動脈硬化を注意され、好物の牡蠣に再三あたり、でも食欲と好奇心は相変わらずの日々から生まれた風味絶佳のおいしいエッセイ集。コロナ禍の最中に逝った母をおくった、話題の「リモート葬儀顛末記」を附す。

(新潮社 公式サイトより)

食あたりしても

食材を憎まずまた食べて・・
その探究心に脱帽です

自分が食べたくなくとも
夫が作ると言えば、
自分が作ってしまう

食への思い、半端ない

『母の味、だいたい伝授』 阿川佐和子 | 新潮社
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