「津軽百年食堂」森沢明夫

小説・エッセイ・評論

百年続く店には、代々続く愛ある教えがある

津軽百年食堂 [ 森沢 明夫 ]

価格:701円
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感想(8件)

どんな本なの?

弘前市に百年続く津軽蕎麦の名店「大森食堂」が舞台。

明治時代の初代、賢治とトヨ夫婦、

現在、店を切り盛りする3代目哲夫と明子

そして、その息子、東京在住の陽一と同郷の恋人、七海

陽一の店への思いを中心に、大森食堂の百年が綴られていきます。

コロナで飲食店の明暗がはっきり分かれたと、飲食店経営の友人から聞きました。

普段から誠実に客のことを思って経営していた店は、

お店の窮地に客が手を差し伸べてくれ、今も経営が続けられているそうです。

こがねの
こがねの

もちろん、手助けがあっても、
他の理由も重なり、

店じまいを余儀なくされたお店も

あるわよね。

この物語に出てくる家族は、本当に温かい。
幸せな気持ちになれる展開は、著者ならではです。

そして、百年続けられる店の秘訣は、店を経営していなくても、
人間関係を築く上でヒントになるような気がします。

お金も大事だけど、そこに人がついてこないことには始まらない

きれいなお金っていうのは、誰かを喜ばせた対価として得たもののことで、そういうお金は仲間を呼ぶから、どんどんお金もちになるんですって

(第二章 大森陽一)

東京でバルーンアートのアルバイトをしている陽一。

その仕事に行き着くまでも紆余曲折し、このままアルバイトのままでいいのか悩んでいます。

児童養護施設で、子どもたちから喝采を浴びた後の帰り道、
ボランティア団体の人から言われた言葉です。

こがねの
こがねの

お金を金額の多寡で測っていると

少ない金額だとがっかりしてしまうけど、

喜ばせた対価と考えると

たとえ少なくとも嬉しいですね。

お金に“きれい”とか”汚い”とかは、実際ないのですけどね(笑)

百年食堂も儲けは、それほどでもないのかもしれません。

お客さんは途絶えることなくやってきて、昼には満席。

『心の奥の方がやさしくなる気がする』丁寧に作られた蕎麦。

まさしく「きれいなお金」

こがねの
こがねの

何をするのでも、

誰かを喜ばせよう

誰かの重い荷物を軽くする手伝いをしよう

そんな気持ちで取り組むことが大事なのかも

少しでも、多く、お金をとってやろうと思った途端、

お金は逃げていく→人も逃げていく→・・・

百年続く老舗は、こんなところに注意を払っているのでしょうね。

いい時間をもらった感謝 いい時間をプレゼントできた満足感たった1言で実現できる

物事の終わりは、必ず感謝で締めろーそう教えられた。

どんな時でも最後はありがとうで締めろってことだ。それだけでみんながいい気分でいられるって初代は言ってた。

(第四章 大森陽一)

どんなにクレームを言われても、

どんなに破天荒な人生でも

最後、ありがとうで締めれば、お互い、なんとなく全てなかったことにできる。

こがねの
こがねの

不思議と自分も肯定できるように

なるって言ってるわ。

コロナ禍。当たり前に会えていた人に会えなくなりました。

もし、最後、けんか別れしてそのままだったら・・と思うと、ホント後悔しそう。

だからこそ、お互い笑顔で

ありがとう

楽しかった

の言葉で別れたいな

たった、その一言で、互いに相手に「いい時間」をプレゼントできたという満足感が贈れます。

習慣づけたいと思います。

この本から学んだこと

・お金は、人が連れてくるもの。相手も自分も喜ぶ仕事をしよう。

・一期一会。必ず感謝で締める。その瞬間、お互いかけがえのない時間に変わるから

ではまたね!

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