百年続く店には、代々続く愛ある教えがある
著者 森沢明夫 出版社 小学館
発行日 2011年1月6日
どんな本なの?
弘前市に百年続く津軽蕎麦の名店「大森食堂」が舞台。
明治時代の初代、賢治とトヨ夫婦、
現在、店を切り盛りする3代目哲夫と明子
そして、その息子、東京在住の陽一と同郷の恋人、七海
陽一の店への思いを中心に、大森食堂の百年が綴られていきます。
コロナで飲食店の明暗がはっきり分かれたと、飲食店経営の友人から聞きました。
普段から誠実に客のことを思って経営していた店は、
お店の窮地に客が手を差し伸べてくれ、今も経営が続けられているそうです。

もちろん、手助けがあっても、
他の理由も重なり、
店じまいを余儀なくされたお店も
あるわよね。
この物語に出てくる家族は、本当に温かい。
幸せな気持ちになれる展開は、著者ならではです。
そして、百年続けられる店の秘訣は、店を経営していなくても、
人間関係を築く上でヒントになるような気がします。
お金も大事だけど、そこに人がついてこないことには始まらない
きれいなお金っていうのは、誰かを喜ばせた対価として得たもののことで、そういうお金は仲間を呼ぶから、どんどんお金もちになるんですって
(第二章 大森陽一)
東京でバルーンアートのアルバイトをしている陽一。
その仕事に行き着くまでも紆余曲折し、このままアルバイトのままでいいのか悩んでいます。
児童養護施設で、子どもたちから喝采を浴びた後の帰り道、
ボランティア団体の人から言われた言葉です。

お金を金額の多寡で測っていると
少ない金額だとがっかりしてしまうけど、
喜ばせた対価と考えると、
たとえ少なくとも嬉しいですね。
お金に“きれい”とか”汚い”とかは、実際ないのですけどね(笑)
百年食堂も儲けは、それほどでもないのかもしれません。
お客さんは途絶えることなくやってきて、昼には満席。
『心の奥の方がやさしくなる気がする』丁寧に作られた蕎麦。
まさしく「きれいなお金」

何をするのでも、
誰かを喜ばせよう
誰かの重い荷物を軽くする手伝いをしよう
そんな気持ちで取り組むことが大事なのかも
少しでも、多く、お金をとってやろうと思った途端、
お金は逃げていく→人も逃げていく→・・・
百年続く老舗は、こんなところに注意を払っているのでしょうね。
いい時間をもらった感謝 いい時間をプレゼントできた満足感たった1言で実現できる
物事の終わりは、必ず感謝で締めろーそう教えられた。
どんな時でも最後はありがとうで締めろってことだ。それだけでみんながいい気分でいられるって初代は言ってた。
(第四章 大森陽一)
どんなにクレームを言われても、
どんなに破天荒な人生でも
最後、ありがとうで締めれば、お互い、なんとなく全てなかったことにできる。

不思議と自分も肯定できるように
なるって言ってるわ。
コロナ禍。当たり前に会えていた人に会えなくなりました。
もし、最後、けんか別れしてそのままだったら・・と思うと、ホント後悔しそう。

だからこそ、お互い笑顔で
「ありがとう」
「楽しかった」
の言葉で別れたいな
たった、その一言で、互いに相手に「いい時間」をプレゼントできたという満足感が贈れます。
習慣づけたいと思います。
この本から学んだこと
・お金は、人が連れてくるもの。相手も自分も喜ぶ仕事をしよう。
・一期一会。必ず感謝で締める。その瞬間、お互いかけがえのない時間に変わるから
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