未知のウイルスがなんとなくわかってくる頃、人の心が壊れてくる
著者 夏川草介 出版社 小学館
発行日 2021年4月23日
どんな話?
「レッドゾーン」の続きです。
令和3年1月から、はじまります。
コロナウィルスがある程度、わかってきた頃、今度は、人々の心が疲弊してきます。
皆さんもそれぞれ、覚えがあると思います。
辛かったですよね。
コロナの医療現場では、どのようなやりとりがあったのでしょう?
医師たちが報道や誹謗中傷をどう受け止めていたかを中心に見ていきたいと思います。
コロナ禍に生きる人々の胸の内
1.経済か医療か叫ぶ報道・・その時、医師たちは?
「きついったって先生、実際患者さん診ている先生たちの方がずっときついでしょう。俺たちなんて、知れたもんですよ。パスタを食いにきてくれないからって、すぐ死ぬわけじゃあるまいし」
(凍てつく時)
イタリアンを経営している患者の息子に言われた言葉です。
ちょうど声高に飲食店がこのままでは潰れてしまうと、連日、報道されていた頃です。

医療か経済か
どちらを優先するか?
1人の医師は、飲食店関連のニュースが始まると、すぐにスイッチを切ってしまいます。
医療が優先されるべきと、この表現に著者の強い思いを感じます。

実際は、すべての経営者が「経済!」と
騒いでいたわけではなかったのね。
あの頃、テレビを観ていると、経営者、誰もが『経済!』と、声高に叫んでいる印象を受けました。
完全に情報に踊らされていました。
じっと静かに耐えている人もいたということ。
声高な人の意見が全ての人の意見ではないということ。
この本の中で、何度も繰り返されます。胸に刻みます
2.同じ状況下にいる時の「つらい」は共有することで力になる
自分だけが辛いと思えば、人を攻撃するようになる。自分だけが辛いのではないと思えば、踏みとどまる力が生まれる。
(砦)
つらい、つらいと言うのは、嫌がられます。
だから、つい、人に弱音は、吐きません。
コロナ禍は、家でじっとしていたから、余計、自分だけが辛いと思えて、攻撃的な人たちが増えてきてしまったのかもしれません。

確かに、辛いなぁと思っている時、
周りは楽しそうに見えてしまうもの
取り残された感じ・・
こんな状況では、意地悪の一つも言いたくなりますよね・・確かに攻撃的になります(笑)
あの時、攻撃的だった人は、自分だけが辛いと思い込んでいたのかもしれません。
この言葉にあるように、そこで相手も同じぐらい辛いとわかれば、励まし合えるというもの。
「ホント、辛いよね!」と共感することが世の中の平和に大いに役立つ。
極限状態こそ「つらい」の共感、大切ですね。
つい言いたくなる「愚痴ばかり言わないの」は禁句です(笑)

だけど、同じ辛いでも、
私の方がもーっと辛いなんて、
言われたら嫌かも・・
ホントそうですよね。
辛さのマウントは、絶対に取らないこと。
(心の中に押しとどめておきましょう)
特に年長になればなるほど、気をつけなければいけませんね。肝に銘じます。
この本で学んだこと <まとめ>
・報道には、踊らされない。じっと耐えている人は、そこに出てこない。
・つらさは、共有することで、争いが起きなくなる。自分の方がもっと辛いは禁句!
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