コミュニケーション能力に必須な「共感力」も心を壊す原因だった?
共感は心を疲弊させることもある。上手に聞いて、休んで、自分の心を大事にしよう!
こんにちは!
ようこそいらっしゃいました
今日の本はこちらです
夏川草介著 スピノザの診察室
共感することは大切だけど、共感しすぎると心を壊す危険がある
相手が共感してくれると
嬉しいですよね
実は共感することって
思った以上に大変なことらしいわよ
コミュニケーション関連の本には、『共感』することが大事と書かれています。
私もそうですが、相手の話を聞く時、
おおげさすぎるほど「わかる〜」って言っていませんか?
だってそれが礼儀ですから・・
しかし、この本では、
共感は心にとってはかなりの無理を強いてしまう行為
だというのです。
本の舞台は、終末期医療の病院ですから、
私たちが置かれている状況とは、少し異なります。
しかし、『共感することが人間関係を円滑にする』を信じて疑っていない私たち。
著者が警鐘を鳴らしているようにも受け取れます。
患者の顔が見えるということは、共感するということです。共感というのは、心にとってはなかなかの重労働でしてね。とくに悲しみや苦しみに共感する時には、十分に注意が必要です。度がすぎると、心の器にヒビが入ることがあります。ヒビだけなら涙がこぼれるのみですが、割れてしまえば簡単に元に戻りません。それを、精神科の世界では発病と定義づけるのです」
(第一話 半夏生)
主人公の内科医 雄町先生に、元精神科医で同じく内科医の秋鹿先生が語った言葉です。
人の終末に立ち合う2人。
どう接するのが正解なのか、常に模索しています。
共感しすぎると、自分の心が壊れる。
相手と一体化してしまうということでしょうか?
人の話を聞いて、感情移入するほど共感すれば、するほど、心が疲弊するなんて・・
考えてみれば、相手の心の大きく激しい揺れに、自分のペースが乱されるのですから、壊れても不思議はありません。
心を壊さないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?
では、そんな時は、どうすればいいのでしょうか?
本の中には、このような方法が書かれています。
発病を避けるために、人は何かしらのレクリエーションを行うものです
(同上)
くたびれたと思った時には、適当に携帯の電源を切ることも大事ですよ
(同上)
この2人は、
子供の頃楽しんだゲームを
常にしています。
これも心を守るための
大事なレクリエーション!
皆さんはなんですか?
『共感しなきゃ』と、常に自分に課す必要はなさそうです。
「あまり、共感できないなぁ」と思うことも自然。
ただ、反論しないでじっとして聞いている(フリ?)もアリかもしれませんね。
それにしても、世の中には、共感している割には、
結構元気な人が多いと思いませんか?
もう、すでに共感しすぎず、適度に聞く技、身につけていそうです(笑)
共感しすぎなくていい。共感しすぎた時は、早めにレクリエーションして、心を戻そう。
そんなことを学んだ1冊です。
本について
雄町哲郎は京都の町中の地域病院で働く内科医である。三十代の後半に差し掛かった時、最愛の妹が若くしてこの世を去り、 一人残された甥の龍之介と暮らすためにその職を得たが、かつては大学病院で数々の難手術を成功させ、将来を嘱望された凄腕医師だった。 哲郎の医師としての力量に惚れ込んでいた大学准教授の花垣は、愛弟子の南茉莉を研修と称して哲郎のもとに送り込むが……。
(文藝春秋 公式サイトより)
終末期はどのように
相手と向き合うか
考えさせられる内容です
家族としての向き合い方としても
為になりました。
重いテーマもグイグイ読ませてしまう
著者の筆の力、毎回脱帽です!
大切な人が、最期を迎えた時、あなたはどんな言葉をかけますか?
ぜひ、本、読んでみてくださいね。
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