公開日 2023年2月23日
更新日 2023年4月25日
「もしもの世界」というもう1つの世界を心の中に作ってみませんか
どんな絵本なの?
作者はヨシタケシンスケさんです。
少し前の私に、どうしても必要な物語でした。
ヨシタケシンスケやあ おはよう。
(赤ちゃんとママ社 公式HPより)
とつぜんでもうしわけないんだけど、
ボク もしものせかいにいくことになりました。
大事なものを突然失ったとき、思いがけない別れが訪れたとき。
心にぽっかりと空いた穴は、どうやって埋めたらいいんだろう。
ヨシタケシンスケの新たな世界。
何度も読み返したくなる優しい物語です。
作者自身が悲しい出来事があった時に書かれた本だそうです。
人間、悲しい出来事を無かったことにすることはできません。
『その経験そのものをまるごと抱えて生きていく 』
には、どのように捉えたらいいのだろう?
そんなことを考えた少し、哲学的な1冊になっています。
物語は、寝ている男の子の部屋に侵入した猫が
おもちゃをくわえて出て行くところから始まります。
そのおもちゃが夢に出てきて言います。
『ボク、もしもの世界に行くことになりました。』
もしもの世界は、
きみのこころのなかにある もうひとつのせかいだよ。(中略)
きみのめのまえからきえてしまって、「もしもあのとき・・・」っておもいだすもの。
(本文より)
それは、みんな もしものせかいにいるんだ。
猫に持ち去られたおもちゃは、もうボクの元には戻ってきません。
「もしも、あの時、窓を閉めていたら・・」
大人もこのようなたくさんの「もしも・・」を抱えて生きています。
今日は、作品を通じて、少しだけ荷を下ろしてみませんか。
『もしもの世界』の存在が人を癒し、人生を豊かなものにしてくれる
もしもあの時・・・
きみがどうしても できなかったことや、
(本文・・ひらがな表記を漢字表記にしてます)
ずっと一緒にいたかった人や
変わって欲しくなかったもの
「もしも あの時・・」と、思い出すことたくさんあります。
挑戦しなかったこと
2度と会えなくなった人
「あの時こうしておけばよかった」ってね
そして、その時、選ばなかったものは、自分と二度と関わることがほぼないと、著者は言います
ちょっと淋しいけど、
そうかもね。
大切なことは、ずっと心の中の『もしもの世界』に消えないでいる
でも だいじょうぶ。
ボクは、もしものせかいにずっといるから。
(本文)
しかし、心の中には『もしもの世界』という、もう一つの世界があって
・もう会えなくなった人
・手から離れてしまったモノ
・選ばなかったこと
「自分の未来になるはずだったもの」がずっと色褪せずに、しまってあるというのです。
現実の世界から思い出に変わったということでしょうか。
経験になったともいえますね。
やらなかった後悔なら、
再チャレンジも可能ですね
そして、この『もしもの世界』は、いつでも訪ねられるということ。
癒されたくなったら、いつでもいける
ずっといる、ずっとある・・
そう考えると嬉しいですね。
どうやら『もしもの世界』は温かな場所のようですね。
では、なぜ喪失感や葛藤を生じるのでしょうか?
大切なものたちが、現実の世界から『もしもの世界』へ移動は、時間をかけてゆっくり進むから
だから、
移動が完全に終わった時、心の痛みはなくなり、穏やかな時間がまた訪れる
と、著者はメッセージを送っています。
時ぐすりですね。
乗り越えた時、またひとまわり成長できる
もしもの世界が 大きい人で あればあるほど、いつもの世界も大きく膨らませることができるはずなんだ。
(本文・・ひらがな表記を漢字表記にしてます)
たくさんの楽しい思い出、辛い経験や苦い思いなどを詰め込んだ
『もしもの世界』が大きくなればなるほど、その時の経験が
いつもの『現実世界』に生かされ、豊かな人生になっていく
そんなふうにも捉えられます。
どちらの世界も自分の人生。
多分、選ばなかったことは、あの時の自分にとって、ベストな選択では、なかっただけのこと。
だから大丈夫!だとね。
そして、これから起きる「もしもあの時・・」
少しでも『もしもの世界』に行かないよう、後悔のないよう、行動できたらいいですね。
まとめ
・選ばなかった人生、お別れした人・・ずっと心の中にいるから会いに行こう
・選ばなかった人生、お別れした人・・後悔しないよう、有意義な経験に変えよう。
・これから選ぶ人生・・「もしもの世界」に行かぬよう、積極的にチャレンジしよう。
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