公開日 2023年2月23日
更新日 2023年4月25日
「もしもの世界」というもう1つの世界を心の中に作ってみませんか
著者 ヨシタケシンスケ 出版社 赤ちゃんとママ社
発売日 2020年1月28日 3歳から
どんな絵本なの?
作者はヨシタケシンスケさんです。
少し前の私に、どうしても必要な物語でした。
ヨシタケシンスケやあ おはよう。
(赤ちゃんとママ社 公式HPより)
とつぜんでもうしわけないんだけど、
ボク もしものせかいにいくことになりました。
大事なものを突然失ったとき、思いがけない別れが訪れたとき。
心にぽっかりと空いた穴は、どうやって埋めたらいいんだろう。
ヨシタケシンスケの新たな世界。
何度も読み返したくなる優しい物語です。
作者自身が悲しい出来事があった時に書かれた本だそうです。
人間、悲しい出来事を無かったことにすることはできません。
『その経験そのものをまるごと抱えて生きていく 』
には、どのように捉えたらいいのだろう?
そんなことを考えた少し、哲学的な1冊になっています。
物語は、寝ている男の子の部屋に侵入した猫が
おもちゃをくわえて出て行くところから始まります。
そのおもちゃが夢に出てきて言います。
『ボク、もしもの世界に行くことになりました。』
もしもの世界は、
きみのこころのなかにある もうひとつのせかいだよ。(中略)
きみのめのまえからきえてしまって、「もしもあのとき・・・」っておもいだすもの。
(本文より)
それは、みんな もしものせかいにいるんだ。
猫に持ち去られたおもちゃは、もうボクの元には戻ってきません。
「もしも、あの時、窓を閉めていたら・・」
大人もこのようなたくさんの「もしも・・」を抱えて生きています。
今日は、作品を通じて、少しだけ荷を下ろしてみませんか。
『もしもの世界』の存在が人を癒し、人生を豊かなものにしてくれる
もしもあの時・・・
きみがどうしても できなかったことや、
(本文・・ひらがな表記を漢字表記にしてます)
ずっと一緒にいたかった人や
変わって欲しくなかったもの
「もしも あの時・・」と、思い出すことたくさんあります。
![泉くん](https://koganenobook.com/wp-content/uploads/2023/02/man-150x150.png)
挑戦しなかったこと
2度と会えなくなった人
「あの時こうしておけばよかった」ってね
そして、その時、選ばなかったものは、自分と二度と関わることがほぼないと、著者は言います
![こがねの](https://koganenobook.com/wp-content/uploads/2023/02/woman-glasses-150x150.png)
ちょっと淋しいけど、
そうかもね。
大切なことは、ずっと心の中の『もしもの世界』に消えないでいる
でも だいじょうぶ。
ボクは、もしものせかいにずっといるから。
(本文)
しかし、心の中には『もしもの世界』という、もう一つの世界があって
・もう会えなくなった人
・手から離れてしまったモノ
・選ばなかったこと
「自分の未来になるはずだったもの」がずっと色褪せずに、しまってあるというのです。
現実の世界から思い出に変わったということでしょうか。
経験になったともいえますね。
![泉くん](https://koganenobook.com/wp-content/uploads/2023/02/man-150x150.png)
やらなかった後悔なら、
再チャレンジも可能ですね
そして、この『もしもの世界』は、いつでも訪ねられるということ。
癒されたくなったら、いつでもいける
![こがねの](https://koganenobook.com/wp-content/uploads/2023/02/watasi-150x150.png)
ずっといる、ずっとある・・
そう考えると嬉しいですね。
どうやら『もしもの世界』は温かな場所のようですね。
では、なぜ喪失感や葛藤を生じるのでしょうか?
大切なものたちが、現実の世界から『もしもの世界』へ移動は、時間をかけてゆっくり進むから
だから、
移動が完全に終わった時、心の痛みはなくなり、穏やかな時間がまた訪れる
と、著者はメッセージを送っています。
![こがねの](https://koganenobook.com/wp-content/uploads/2023/02/woman-glasses-150x150.png)
時ぐすりですね。
乗り越えた時、またひとまわり成長できる
もしもの世界が 大きい人で あればあるほど、いつもの世界も大きく膨らませることができるはずなんだ。
(本文・・ひらがな表記を漢字表記にしてます)
たくさんの楽しい思い出、辛い経験や苦い思いなどを詰め込んだ
『もしもの世界』が大きくなればなるほど、その時の経験が
いつもの『現実世界』に生かされ、豊かな人生になっていく
そんなふうにも捉えられます。
どちらの世界も自分の人生。
多分、選ばなかったことは、あの時の自分にとって、ベストな選択では、なかっただけのこと。
だから大丈夫!だとね。
そして、これから起きる「もしもあの時・・」
少しでも『もしもの世界』に行かないよう、後悔のないよう、行動できたらいいですね。
まとめ
・選ばなかった人生、お別れした人・・ずっと心の中にいるから会いに行こう
・選ばなかった人生、お別れした人・・後悔しないよう、有意義な経験に変えよう。
・これから選ぶ人生・・「もしもの世界」に行かぬよう、積極的にチャレンジしよう。
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