相手の言葉の真意を見抜いて、人間関係は結ぼう
著者 原田ひ香 出版社 双葉社
発行日 2019年12月22日
ページ数 293ページ
本について
どんな本なの?
池内胡雪は多忙なベンチャー企業で働く三十歳。不規則な生活で食事はおろそかになり、社内も散らかり放題で殺伐とした雰囲気だ。そんな状況を改善しようと、社長は会社に家政婦を雇うことに。やってきた家政婦の筧みのりは無愛想だったが、いつも心がほっとするご飯を作ってくれて――。現代社会の疲れを癒す、美味しい連作短編集。
(双葉社 公式サイトより)

すぐにでも作れそうな
夕食や夜食が登場します
心がホッとするご飯って、結局、家庭の味なのかしら?
そんなことを思わせてくれる1冊です。
悩みを抱えた社員たちは、台所で働くみのりさんに打ち明け、ちょっぴり味見をさせてもらって・・

なんだか、子供の頃、
台所で母にまとわりついた
思い出が蘇るようです
台所で話を聞いてもらって、元気をもらう・・・
この本の最大の魅力は、こんなところにあるのかもしれません。

ぜひ、本を開いて、
そんな気分を
楽しんでみては?
感 想
ほっこり系の食べ物小説かと思いきや、途中から何だか雰囲気が怪しくなり、ぐいぐい物語に引き込まれていった。人間関係に悩んでいる人がいたら、救いの1冊になるのかもしれない。『そういう人を見てきたから』

ほっこりだけでなく、
心の機微も上手く描かれています。
人間誰しも色々抱えているもんですね
この本で学んだこと
勇気、友情、絆、愛、約束・・・こんな言葉を多用する人にご用心!
情緒的な言葉で人を動かそうとすることが多かった。本当は思っていないのに、「勇気、友情、絆、愛、約束」などの単語を多用して、皆んなを動かしていた。
(第四話 涙の後でラーメンを食べたものでなければ)

「絆」は特に、東日本大震災の時に
よく聞きました。
どの言葉も素敵な言葉だし、人間にとって、生きていく上で大切な言葉だと思います。
しかし、何かことが起こると、ここぞと、この言葉を声高に叫ぶ人がいます。
その時は、自分も何かしなきゃ・・と、その言葉に誰もが賛同するのですが、何かおかしいとある日、気づくのです。
ある日、突然、この情熱の主、知らぬ間に、消えてなくなるのです(笑)

持続する活動って、
かなり少ない?
その人、本当は、ただ、先頭に立って、もてはやされ、人を動かす自分を見たかっただけだったのかも・・

この気持ち、
どこへ持って行ったら
いいんだろう?
この一文を読んで、なるほどと思いました。
世の中、自分が良く見えることしか考えていない人もいるようですね。
誰かのために、本気で活動しようとはしていない人・・

見極めが大事です
どうやら、これらの言葉は、多用すると、途端に効力がなくなるようです。
あんまり多用する人が近づいてきたら、距離を取りつつ、様子を見ることにしたいと思います。
同時に、多用しないよう気をつけたいです(笑)
本気の人は、こんな人。本質をきちんと見抜こう!
一方、本気でその人ときちんと向き合いたいという人は、
怒ってくれたり、困った時には、自分を信じて相談してくれる
と言います。
本音を言えば、真剣に相手のことを思って、耳の痛いことを言う人を遠ざけたくなります。
しかし、そんな人は、相手に対してきちんと向き合おうとしてくれている人だと著者は言います。

だけど、優しい言葉をかけてくれる人、好きです
優しい言葉は嬉しいですが、優しい言葉しか言わない人は、ご用心。
もしかしたら、自分を良く見せるために、相手を利用しているのかもしれませんよ!
そんなことを学んだ1冊でした。
ホント、人間関係って難しいですね

まだまだ精進いたします!

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