相手を思いやれる人は、存在そのものが誰かの力になる
公開日 2022年12月22日
更新日 2023年7月10日
今日は、大人の皆さんへ贈りたい絵本です。
ある男性の奥様への想いがたっぷりと詰まったお話。温まりますよ、心が。
どんな絵本なの?
この本の作者は 文、絵ともに つちだ よしはるさんです。
この本は、原作者がいます。あべ やすつぐさんです。
主人公のねずみくんに想いを託し、難病の男性が大切な人へ贈った童話をつちだ よしはるさんが絵本化。誰かを思う強い気持ち、あたたかい気持ちが伝わる絵本です。
(公式HPより)
あべさんは、9歳で筋ジストロフィーと診断されました。
明るく強く生きた人だったそうです。
体が思うように動かなくなっても、クチマウス(唇で入力する特殊なマウス)で、童話を書き、妻への感謝を伝えました。
原題は『チュウ太の贈物』
その後、つちださんが絵本化します。
自分には得意なことが何もないと悩むねずみくん。大好きなねずみちゃんが喜ぶものを誕生日に贈りたいと、丈夫な前歯で氷の像を削ることを思いつきますが・・
(公式HPより)
ねずみくん、想いを伝えられたのでしょうか?
今回、大人向けということで、引用文は漢字に変換して読みやすくしました。
本は、全文ひらがなですので、子どもも楽しめますよ。
妻への感謝を童話に託した夫の想いは、他の者にも生きる力となった
僕には丈夫な前歯があるじゃないか・・
僕には すずむし君のように、リーンリーンと 美しい声で 歌うこともできないし、つばめ君や、さかな君のように 空や水のなかで 軽やかに ダンスすることもできない。 僕には 何にも できないや
(本文)
誰かと比べると、ホント
できないことだらけだよね。
わかる!
そこで、ねずみくん、ふくろう おじいさんに相談に行きます。
おじいさんは、ねずみちゃんが一番好きなことをしてあげることを提案します。
(好きなことが)わからなくても、おまえさんがしてあげられることを、一生懸命にすれば、きっと喜んでくれるさ
(本文)
そうですよね。
それに、ねずみちゃんの好きなことが
歌やダンスとは限らないもの
確かに、勝手に思い込んで、できない自分に落ち込んでいるかもしれません。
だって嫌われたくないもの・・
でもね、一生懸命、選んだもの(こと)を
ムゲにするような人は、
そもそもムリかも・・・(笑)
ある日、金持ちのねずみの旦那と話しているうちに、ひらめきます。
『自分には丈夫な前歯があるじゃないか・・』
急に自信がついたねずみくん、それからは、プレゼントのために奮闘します。
この話、多分、体が思うように動かなくなった阿部さんが、『クチマウス』は、まだ使えることに気づいた瞬間だったんじゃないかと。
表現できれば、妻に思いは伝えられる・・・
大変な作業だったと想像できます。(ねずみくんの奮闘を見るとね)
しかし、最後まで自分のできることを最大限に活かして、誰かを喜ばそうとする気力は驚くばかりです。
生きるってこういうことかも
しれませんね!
そんな風に誰かを喜ばそうと日々、奮闘する人なら、生きているだけで嬉しいって思ってくれる人が、きっと、いるはずです。
最後までそんな生き方したいですね。
存在そのものが、もう誰かの生きる力になっているよ
いつも笑顔でいてくれて、まるで、おひさまみたい。僕は君といると、どんなことでも頑張れるんだ。
(本文)
これは、もう妻へのラブレターでしょう。
存在そのものが誰かの頑張る力になる。
わー羨ましい!大切な人から
そんな風に言ってもらえたら、
嬉しいですよね!
笑顔の力、偉大です。
大きなことを成し遂げられなくてもいい。
極々身近な人の頑張る力の原動力になるだけでいい。
またその人から元気をもらう人が生まれるかも知れないから。
うん!なんかいいですね。励まされる1冊です。
寒い冬、ぜひ、手にとってみてくださいね。
この絵本で学んだこと
・最後まで、人を思いやる心があれば、存在だけでも誰かの支えになる
・お互いに生きる力を贈りあおう。笑顔でね!
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