大人へ贈る絵本「ねずみくんのおくりもの」

平成の絵本

相手を思いやれる人は、存在そのものが誰かの力になる

公開日 2022年12月22日
更新日 2023年7月10日

本のデータ 

原作 あべ やすつぐ 文・絵 つちだ よしはる
出版社 教育画劇  
発行日 2018年11月8日 3歳から

今日は、大人の皆さんへ贈りたい絵本です。

ある男性の奥様への想いがたっぷりと詰まったお話。温まりますよ、心が。

どんな絵本なの?

この本の作者は 文、絵ともに つちだ よしはるさんです。

この本は、原作者がいます。あべ やすつぐさんです。

主人公のねずみくんに想いを託し、難病の男性が大切な人へ贈った童話をつちだ よしはるさんが絵本化。誰かを思う強い気持ち、あたたかい気持ちが伝わる絵本です。

(公式HPより)

あべさんは、9歳で筋ジストロフィーと診断されました。

明るく強く生きた人だったそうです。

体が思うように動かなくなっても、クチマウス(唇で入力する特殊なマウス)で、童話を書き、妻への感謝を伝えました。

原題は『チュウ太の贈物』

その後、つちださんが絵本化します。

自分には得意なことが何もないと悩むねずみくん。大好きなねずみちゃんが喜ぶものを誕生日に贈りたいと、丈夫な前歯で氷の像を削ることを思いつきますが・・

(公式HPより)

ねずみくん、想いを伝えられたのでしょうか?

今回、大人向けということで、引用文は漢字に変換して読みやすくしました。

本は、全文ひらがなですので、子どもも楽しめますよ。

妻への感謝を童話に託した夫の想いは、他の者にも生きる力となった

僕には丈夫な前歯があるじゃないか・・

僕には すずむし君のように、リーンリーンと 美しい声で 歌うこともできないし、つばめ君や、さかな君のように 空や水のなかで 軽やかに ダンスすることもできない。 僕には 何にも できないや

(本文)

こがねの
こがねの

誰かと比べると、ホント

できないことだらけだよね。

わかる!

そこで、ねずみくん、ふくろう おじいさんに相談に行きます。

おじいさんは、ねずみちゃんが一番好きなことをしてあげることを提案します。

(好きなことが)わからなくても、おまえさんがしてあげられることを、一生懸命にすれば、きっと喜んでくれるさ

(本文)
いずみくん
いずみくん

そうですよね。

それに、ねずみちゃんの好きなことが

歌やダンスとは限らないもの

確かに、勝手に思い込んで、できない自分に落ち込んでいるかもしれません。

だって嫌われたくないもの・・

こがねの
こがねの

でもね、一生懸命、選んだもの(こと)を

ムゲにするような人は、

そもそもムリかも・・・(笑)

ある日、金持ちのねずみの旦那と話しているうちに、ひらめきます。

自分には丈夫な前歯があるじゃないか・・

急に自信がついたねずみくん、それからは、プレゼントのために奮闘します。

この話、多分、体が思うように動かなくなった阿部さんが、『クチマウス』は、まだ使えることに気づいた瞬間だったんじゃないかと。

表現できれば、妻に思いは伝えられる・・・

大変な作業だったと想像できます。(ねずみくんの奮闘を見るとね)

しかし、最後まで自分のできることを最大限に活かして、誰かを喜ばそうとする気力は驚くばかりです。

いずみくん
いずみくん

生きるってこういうことかも

しれませんね!

そんな風に誰かを喜ばそうと日々、奮闘する人なら、生きているだけで嬉しいって思ってくれる人が、きっと、いるはずです。

最後までそんな生き方したいですね。

存在そのものが、もう誰かの生きる力になっているよ

いつも笑顔でいてくれて、まるで、おひさまみたい。僕は君といると、どんなことでも頑張れるんだ。

(本文)

これは、もう妻へのラブレターでしょう。

存在そのものが誰かの頑張る力になる。

こがねの
こがねの

わー羨ましい!大切な人から

そんな風に言ってもらえたら、

嬉しいですよね!

笑顔の力、偉大です。

大きなことを成し遂げられなくてもいい。

極々身近な人の頑張る力の原動力になるだけでいい。

またその人から元気をもらう人が生まれるかも知れないから。

うん!なんかいいですね。励まされる1冊です。

寒い冬、ぜひ、手にとってみてくださいね。

この絵本で学んだこと

・最後まで、人を思いやる心があれば、存在だけでも誰かの支えになる

・お互いに生きる力を贈りあおう。笑顔でね!

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