小説の中の言葉をコーヒーと共に味わってみよう
どんな本なの?
お話も装丁もやはり素敵です。
ブックカフェに置きたい1冊です。
高架下商店街の人々と謎めいた女探偵、銭湯とコーヒーの湯気の向こうのささやかな秘密──。『つむじ風食堂の夜』の著者による愛おしく懐かしい物語。書き下ろしを含む完全版。
(平凡社 HPより)
『まずいコーヒーのことなら、いくらでも話していられる』
主人公の美子さんは、幼い頃の両親の離婚によって、父と離れ離れに。
とにかく父はコーヒーを淹れるのが上手だったという・・・
美子さんとその周りの人間的魅力溢れる女性達の
『多くの痩せ我慢と隠しごとと沈黙』
でできた平穏無事な日々の物語です。
ぜひ、コーヒーを飲みながらお楽しみください。
今日は、少しだけ文章を抜粋して、味わってみたいと思います。
イライラの原因は時間。無気力の原因は子供心を忘れたから。
もしも時間がなかったら・・・
時間なんてものがなかったら、ヒトはもっとのびのび生きていたのだ。いちいち細かいことなんて気にしない。きっと争いだって起きないだろう。
「間に合わない」と言わなくて済む。
生きているあいだにアレとコレをしてと考えることもない。考えてみたら、人間以外のすべての生物はそうして生きている。明日なんてものを知らない。
時間がなかったら、今日も明日もないはず。十年後もない、二時間と四十五分後に何が起きるかも知らない。
(なにごともなく、晴天)
確かに人間以外のすべての生物は
そうして生きています。
この言葉にグサッと来ました
「今日しなくては、いけないこと」「明日の準備」「老後の心配」
気にならない日はありません。
でも、もし本当に時間の概念がなかったら、「死」すら考えないかも。
その時、やるべきことだけに集中しているような気がします。
時間があるから、きちんとした規則正しい生活ができる一方、
縛られているから窮屈な部分もあるんだなぁと実感します。
時間に遅れると、
ケンカになります!
信用問題にもなるよね
実際問題、時間なしの生活は無理だとしても、
あらゆる細いことが気になって、イライラした時は、
時間に支配されすぎてないか立ち止まってみるのも良いかもしれません。
荒んだ心を癒すのは、子どもの時から親しんできたもの
どうしたら、人と街を心から楽しめるだろう。
毎日毎日考え、わたしが子どものときから親しんできたもの、心安らぐものは何かと考えていったら、最後に「銭湯」と「コーヒー」に行き着いたのです。(中略)
そこで、東京中の銭湯を訪ね歩いてみようと思い立ちました。ついでに、銭湯の近くにおいしいコーヒーが飲める店があったら、必ず風呂上がりにコーヒーも飲む、そう決めました。
(同上)
探偵家業から足を洗ったヤエガシさんの言葉です。
人のことを暴こうと街を歩いていた探偵時代。
辞めたら、大好きだった『人間』と『街』が楽しめなくなっていたことに気づきました。
ヤエガシさん。
子どもの頃、好きだったのは、
コーヒーじゃなくて、もちろん
『コーヒー牛乳』だったそうです
うまいですよね!
大人になると、心身ともに重くなるのか、子どもの頃好きだったことが、楽しめなくなってます。
でも好きなものはそうそう変わらないのも知っています。
私はおやつと本!
子どもの頃から今に至るまで
好きだったものをいくつか書き出して、組み合わせて楽しむ。
多少の軍資金のある大人こその楽しみ(笑)
ぜひ、お試しください。
僕は、本とコーヒーとケーキと
いい音楽の流れる喫茶店です。
4つ楽しめます(笑)
まとめ
・些細なことが気になったり、争いごとが増えたときは、時間を忘れてしばし休もう。
・荒んだ心を癒すのは、子どもの頃、好きだったもの。贅沢に組み合わせて楽しんでみよう。
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