公開日 2023年3月5日
更新日 2023年4月28日
自分の居場所は本をきっかけに見つかることがある
著者 青山美智子 ポプラ社
発行日 2020年11月9日
![]() | お探し物は図書室まで (ポプラ文庫 日本文学 461) [ 青山 美智子 ] 価格:814円 |

どんな本なの
お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?不愛想だけど聞き上手な司書さんが本と付録であなたを後押しします。
(ポプラ社の公式サイトより)
心温まるお話と、その伏線回収には、いつもワクワクさせられます。
さて、この話は、羽鳥コミュニティハウスにある図書室が舞台です。
そこには、ベイマックス、鏡餅・・と印象づけるようなものすご〜く大きな女の人が・・
その人こそ、レファレンスコーナー担当の司書の小町さゆりさん。
この小町さゆりさんは、『猫のお告げは樹の下で』でも登場します。
最初、誰もがその大きさに躊躇してしまうのですが、彼女の
「何をお探し?」
の一言で、誰もが安心感を覚え、あれこれ打ち明けてしまいます。
その後、小町さんからのオススメ1冊が・・

誰もがなんでこの本?
というような普段読まない
ジャンルの本をすすめられます。
だけど、この1冊がじわじわと利用者たちの心を動かしていくんです。
これは、偶然、図書室を訪れた悩める5人の老若男女の居場所探しのお話です。
その中から、今日は『二章 諒 三十五歳 家具メーカー経理部』より、
この本のキーワードとなる『パラレルキャリア』について考えてみたいと思います。
会社が唯一の居場所って思っていない?居場所、いくつもあっていいんだよ
「僕は、仕事って、社会におけるポジションの確保だと思うんです。パラレルキャリアはポジションを二つ持てる。どちらかが副業ってことじゃなく」
(二章 諒 三十五歳 家具メーカー経理部)
ポジション、地上と地下の、二つの世界での顔、役割。
高校生から、いつかアンティークショップを開いたいと思いながら、
家具メーカーで経理の仕事をしている男性。
小町さんに紹介された本で読んだ、会社員をしながら、書店を営む男性に会いにいきます。
その書店経営者の言葉です。
居場所がひとつだと、どうしても固執してしまい、息苦しかったという書店経営の彼。
しかし、2拠点持ったことで
・本業の仕事は、生きていくための糧(収入)を得る場所
・書店という仕事は、精神的安定を得る場所
そう割り切れるようになり、以前より仕事が辛くなくなったと話します。
ところでパラレルキャリアって何?
1日の大半を占める会社。
嫌だなぁと思いながらも、自分の居場所はここしかない。
そんな日、ありませんか?

会社辞めさせられたくなくて、
我慢してしまいます。
ここに登場する5人も社会になんらかの不満を持っています。
そこでキーワードになる言葉『パラレルキャリア』

ドラッカー氏の言葉で
『もうひとつの活動を並行すること』
って意味らしいわよ
仕事以外に、活動の場を持つということのようです。
会社の私とは違う、もう一人の私

なんだか
ミステリアスでいいですねぇ
パラレルキャリア=副業?
さて、パラレルキャリアといえば、真っ先に副業が思い浮かびます。
でも、副業ってなかなか思い切って始めることってできませんよね。

会社は辛い。
でも、辞めて
起業するとなると、
お金が心配です・・

この経営者のように
お金は会社で今まで通り稼いで、
採算を多少無視しても大丈夫な
居場所を作って、週末楽しむって
いいわね!
この書店経営者も、
どんなに辛い仕事も、もう一つのポジション(居場所)のためと思えば、頑張れると言います。
居場所がいくつかあると、心の安定が得られ、本業にも身が入る。
『もう一つのポジションを持ってもいい』と自分に許可するだけでも心が軽くなる

わー何がいいかなぁ
では、居場所=副業だけなのでしょうか?
副業だけが居場所じゃないよ
本の中では、自分の大好きなことをすることも、パラレルキャリアとして描かれています。
是非とも、本で読んでみてくださいね。
そして、忘れてはならない
本の中の世界というのも、一つの居場所であるということ。

本、読みましょ(笑)
1番お手軽な居場所!

物語の中で遊ぶ。
いいですよね!
収入を得られる場所だけが居場所ではない。
自分が安心できる場所ならどこでも居場所(ポジション)。
そう考えると、居場所って、心の避難場所でもありますよね。
人間関係、仕事のこと、自分のこと・・・
煮詰まったら、もう一つの居場所に軸足変えて、
嵐が過ぎ去るのを待てばいいということを教えてもらった1冊です。
まとめ
・居場所は自分で見つけるもの。複数作って、心の避難場所確保しよう
・本読もう。究極の心の避難場所。今必要としているものがきっと見つかる
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