専業主婦歴25年は、果たしてマイナス要因なのだろうか?
どんな本なの?
著者は山口恵以子さん。
やはり、食べ物を作る小説は天下一品です。
今日は、手作りパウンドケーキの店「アカナナ洋菓子店」が舞台です。
ケーキを食べるのが好きな人
作るのが好きな人
ぜひ、読んでください
50代からの生き方としても
勇気のわく作品です
いつも穏やかでお菓子作りが上手な母・茜と、法律事務所に勤めるしっかり者の娘・七。
ある日、茜は医師である夫から突然離婚を言い渡されてしまう。夫の身勝手さに傷つき、離婚成立後もショックを引きずる茜。七と商店街のメンバーは茜を励まし、手作りのパウンドケーキの販売をすすめる。「人生へのリベンジ」をかけて、母娘二人のケーキ販売が始まった!
奮闘する母娘の絆をケーキと共に温かく描く感動作。
(PHP 研究所 公式サイトより)
50歳で離婚を言い渡された母、茜さん。
それまで院長夫人として、夫を支えてきたのに、この仕打ち。
ひどい話ですね
50代としては、
身につまされます
そんな時、支えになったのは、一人娘の七(なな)と、
何度も焼いたバナナケーキとダークフルーツケーキです。
実はこのケーキ、森村桂さんのエッセイに登場する「キャトルキャール」がベースになっています。
私もよく作りました!
まだまだ家でケーキを焼くことが一般的ではなかった1986年(昭和61年)。
家にある材料でそれも素手で混ぜるという斬新さ。
レシピもこの小説の巻末に載っています。
味を確かめる意味でも一度トライしてみてはいかがでしょうか。
さて、今日は中高年になって、いきなり社会に放り出されたら、
一体、どう生き抜いたらいいのか、考えてみたいと思います。
まだまだ自分の人生取り戻せるよ!人生の棚卸しで得意を見つけよう
離婚だけじゃない。不安定な時代だから、明日は我が身と思う
ママに自分の人生を取り戻してほしい!
(第一章)
夫のため、子供のため、家のために捧げてきた四半世紀を、マイナスで終わらせてほしくない。
25年も誰かのためにだけ生きていた・・
と、考えるとすごいですよね。
そして、25年もほぼ無償(笑)で続けられる忍耐力、すごくないですか?
多くの「わたしたち」
今の中高年世代は、結婚しても勤めることはできましたが、
子どもが生まれるとなると退職するのが暗黙の了解の時代でした。
今では考えられませんね
家族のために頑張ってきたのに、必要なくなるとポイっとされる。
ほんと、腹立たしいです(怒)
でも、離婚を切り出されなくても、この不安定な時代、
誰でも明日は我が身となる可能性があります。
心しておかなければ・・・
そんな時は、行動を起こせば、何かが動き出す
自分が内心望んでいたことが、突然形になって目の前に現れたのだと、今はそれが分かる。
(第一章)
そんな悲しみに暮れる日々の中、茜さん、ひたすらこの2種類のケーキを焼き続けます。
近所に配り歩く姿が心配で、自分の店にケーキを卸さないか
と、行きつけの喫茶店の夫婦から声をかけられます。
実は茜さん
私も、このまま趣味で焼いているのは勿体無いって思ってたの。ただ、ケーキ屋さんを始めるならお店が必要だし、商売にするのは無理かなって諦めてたんだ。でも、卸売りならここでできるもんね。
(第一章)
ケーキ屋さんがしたくてしょうがなかったんですね。
でも、自宅のオーブンでは限りがある。店を持つには費用がかかる。
できない理由を数えあげてました。
ついつい、言い聞かせて
しまうのよね、自分に。
わかるわ〜
茜さんは、気分転換だったかもしれませんが、
ケーキを作り続け、配り続けたという行動力が功を奏しました。
行動しなければ、何も始まらない!
そんなことを学びました。まずは、思いのまま行動することからですね。
さて、願ったり叶ったりの申し出・・・ここから「アカナナ洋菓子店」の物語が始まります。
あとは、ぜひ、本でお楽しみください。
再出発するには、日頃からの準備が必要
さて、50歳の専業主婦の茜さんが再出発できた要因は何でしょう。
①それなりのまとまった慰謝料があったこと
②娘の七さんをはじめ、多くの人の助けを得られたこと(人柄かな?)
③主婦の時に何度も繰り返し作ったケーキのレシピがあったこと
やはり、芸は身を助けるのでしょうか?
ほんとね。
美味しくできるという
自信もあったのかもね
主婦(夫)歴25年で培った技術って侮れませんね。
まさしく継続は力なり
好きで、何度も試行錯誤しながら繰り返してやってきたことなら、尚更です。
僕は、
美味しいカレーライス作れます(笑)
そうそう、主婦に限らず
老若男女、誰にもあるわよね
子どもの頃から得意だったこと
学生の時の専攻
みんなに喜ばれたこと
きっと、これらが自信につながり、
次のステップの選択に大いに役立ってくれるのでしょうね。
今、突然、社会に放り出されなくても、その日に備えて、
今ある技術をさらに伸ばす
新たに何か好きなことや、やりたかったことを学び、極める
そんな風に1日を過ごしていけたらと思った作品でした。
まとめ
・いつ社会に放り出されてもいいように、今、得意なことをさらに磨いておこう
・私には何もない・・そんなことはない。そのあなたのカレーライス、唯一無二の味かもよ!
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